カイロタイムズ120号
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(1)2020年2月17日発行 カイロタイムズ 120号 本会議に先がけて、第1回試験委員会が開催された。前回会議でカイロプラクターの資格認証制度を年内に実施する方針が決議されており、実施内容について試験委員会で検討した。これまでの経緯と認証制度の実施目的を改めて整理。その上で、行政からの指導を踏まえ業界が早急に対応すべきレベルの「基礎資格認証」と、カイロプラクティックの理想的な基準でありWHOガイドラインを意識した自主的な上位認証レベルの「上位・専門資格認証」の二段階からなる全体構想を提示。無資格者の手技による危害に対する業界安全対策として、まずは消費者保護のための「基礎資格認証」に着手する。より多くの手技療法者が基礎資格認証を取得するよう最低限の臨床安全性を基準とし、危険な療法者との差別化を図るというもの。基礎資格認証は「徒手療法」、上位・専門資格認証については「カイロプラクティック」の名称を使用する方針だ。行政の支援を求めながら、将来的には制度化・国家資格化を目指していく。試験委員会は認証制度案を決議。この報告を踏まえ本会議で検討、満場一致で本会議における資格認証制度として決定した。認証開始に向け、引き続き準備を進めて行く。 第5回会議(2018年2月)で決議された現行の活動計画で、遅れが生じている部分についての修正スケジュールが決議された。修正スケジュールには、前述の試験委員会からの報告を受けカイロプラクター認証制度に関する活動計画も盛り込まれた。認証の実施時期や各段階における期限等をどのように設定し周知するかについて、特に活発な意見が交わされた。他業界での事例も踏まえ、次回の試験委員会で具体的な検討を行う予定だ。 かねてより準備を進めている教本指定書籍の翻訳出版に関して、アドバイザーからの提言をもとに必要内容を精査した結果、想定を上回るボリュームの引用文献および著作権の確認が必要であることが報告された。翻訳か執筆かの再検討も含め、各作業に携わる人材と出版費用の確保に向け、引き続き調整を続ける。 エビデンス分科会からは、有識者からの助言と支援を合わせ、引き続き検討を行っていくことが報告された。業界史分科会からは業界史編纂についての状況報告が行われ、引き続き、広く情報提供や協力を求めて行くとした。次回のカイロプラクティック法制化推進(準備)会議および試験委員会は2020年2月開催予定となっている。業界整備の第一段階、カイロプラクター認証制度いよいよ始動カイロプラクティック法制化推進(準備)会議開催報 告第10回 2019年11月8日(金)、東京都千代田区日比谷にて第10回カイロプラクティック法制化推進(準備)会議が開催された。厚生労働省医政局医事課からは川本情報分析官が出席。業界整備に関わる各種検討、分科会からの活動報告および意見交換が行われた。試験委員会からの報告その他活動報告と今後の予定NO. 120 号発行日/2020年2月17日発 行/日本医科学出販株式会社〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8F TEL:0120-223-505 FAX:0120-223-509Eメール:info@chiro-times.co.jp2月・5月・8月・11月発行やО脚・X脚・外反拇指、むくみの改善といった見た目の美しさにも有効で、健康と美容の両方にアプローチできる広義の行動療法といえる。正に自然かつ理にかなったこのメソッドが、健康長寿社会を目指す日本を救うことになるかもしれない。 主催元の日本ホロス臨床統合医療機構は、統合医療の正しい知識を得るための教育・人材育成、安全性・有効性に関する研究活動、医療の枠組みを超えて連携し合える体制づくりをコンセプトとする会員組織。各種講座や研究活動を行うとともに、診療科や職種を超えたホリスティックな統合医療を行う上で、環境・食・健康・美容など、医療従事者のみならずセラピストや企業、生産者までを含めた多岐にわたる分野と連携し合える団体を目指しているという。本講座の修了者は「JHOCIM認定ホリスティックケアアドバイザー」に認定され、認定者だけが参加できる症例検討会なども企画されている。代替医療、統合医療という言葉はだいぶ一般的になってきた感はあるものの、このような場はまだ数少ない。継続した教育と啓蒙活動、広い視野をもって各分野との連携体制を整えていくことは、統合医療の普及・発展を目指す上で今後さらに重要になってくるだろう。それが原因不明の病に悩む患者を救う一助になるはずだ。 歯科医師で、かみ合わせと全身との関連を考える会会長の奥田恵美氏は、歯科における自己免疫疾患・難治性腰痛・頭痛・歩行障害・脳疾患などの治療例を紹介。「口腔内と全身との関連について」と題し、作用機序を含めた講義を行った。受講者も参加した簡単な実験では驚愕の声が上がる場面もあり、実体験に勝る教えはないことを実感させた。「現代医学は細分化されることで発展を遂げてきた一方、全体を診る目が失われている」と言う奥田氏は、不調の原因が一つではない可能性や予想外の部位に原因があることを踏まえ、専門科外にも間口を拡げた臨床の必要性に言及。医師には見向きもされない分野・療法であっても有用なものは視野に入れながら、統合医療の更なる普及に尽力したいと語った。 「生命力を高めるカイロプラクティックを統合医療に生かす」と題し講義を行ったのは、米国政府公認ドクターの山﨑美佳PhD・DC。農学博士で研究者という経歴から転身を遂げた異色のカイロプラクターだ。山﨑氏は「カイロプラクティックでやってい 2019年12月1日(日)、東京都世田谷区ソフィアホールにて「統合医療実践講座」が開講された。主催は日本ホロス臨床統合医療機構。統合医療に必要な知識を包括的に学ぶことができる全5回の講座で、参加対象は医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの医療従事者、3年以上の経験がある代替医療従事者・セラピストなど(会員制)。2019年度の第3回目となる今回は、歯科・カイロプラクティック・プライマリーウォーキング®の3分野についてそれぞれのスペシャリストが講師として登壇した。専門外の実践的な知識を得る貴重な機会に、受講者は熱心に耳を傾けていた。るのは主に脊椎の関節機能を正常化して身体と脳の神経連携を向上させる、その一つだけ。結果として生来の免疫力や分泌代謝力が最大限発揮され、不調を自ら克服できる身体作りにつながっている」として、自らが臨床にあたる治療院や所属する国際小児カイロプラクティック協会(ICPA)での症例を解説。生後すぐの赤ちゃんから100歳を超えた方にも、病気の有無や飲んでいる薬に干渉されず提供できるカイロプラクティックは、西洋医学と適宜併用すると治療や薬の効果が高まるとして、今後さらに統合医療で生かされる可能性を示唆した。 (一社)プライマリーウォーキング指導者協会会長で岡本流身体調整研究所代表の岡本啓司氏は「プライマリーウォーキング〜なぜ立ち方・歩き方で整形外科疾患が改善するのか〜」について講義を行った。鍼灸師、整体師でもある岡本氏は、治療家として長年行ってきた治療と研究を元に、正しい「立ち方」・「歩き方」のメソッド『プライマリーウォーキング®』を創案。正しい「立ち方」・「歩き方」をしていれば筋肉に不要な力は入らず緊張もしない。骨格のアライメントが整うことで血液やリンパの流れが良化。代謝が改善し、結果的に健康になっていくというものだ。日常動作を変えるだけで、特別な道具や薬は不要。時間もかからない。肩こりや腰痛・膝痛・股関節障害といった整形外科的疾患をはじめ、猫背広い視野をもって病を捉える         統合医療実践講座スペシャリストによる実践講義統合医療の普及・発展を目指して奥田恵美DH山﨑美佳PhD・DC

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