カイロタイムズ119号(高解像度)
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(6)2019年11月18日発行 カイロタイムズ 119号 2016年、一人のハリウッドモデルが首の痛みと頭痛でカイロプラクティックオフィスを訪れ、頚椎のマニピュレーションを受けました。その数日後に彼女は脳梗塞を起こして病院で亡くなり、10ヵ月後に検死医から彼女の死はカイロプラクターから受けた頚椎マニピュレーションが原因であると発表されました。正直このニュースを聞いた時患者さんから何か聞かれるかな?と思いましたが、不安がる方もおらずこの件に関しての質問は一つもありませんでした。全米でもニュースになり、その後日本のネット記事で「モデルの死因はカイロプラクティック」とありました。テレビ番組でも取り上げられ偏見に満ちた文献を引用して、あたかもカイロプラクターが人を殺したといわんばかりです。まず、この検死医は死因を動脈解離から起こった脳梗塞だとし、他に特別な異常を見出せませんでした。原因が見極められなかったため患者の病歴、通院記録を調べ、後にカイロプラクティック治療を見つけ、その数日後に亡くなったという時間的な事実だけでマニピュレーションが原因だと決めつけただけです。彼女はカメラマンの要求で首を何回も無理なポーズでひねり、その時首を痛めたこともわかっていました。なぜ検死医はそれが原因と疑わなかったのでしょう。 自然に起きる可能性が高い病気なので、偶然このタイミングで起こった可能性も十分考えられます。 様々な研究から頚椎マニピュレーションは頚動脈にストレスを与える原因にはならない、血液の流れや速度にも変化をもたらさない、首の可動域の方がストレスを与えるとわかっており、ある医学大の神経外科医たちは、カイロプラクティックマニピュレーションと頚椎動脈疾患を関連付ける証拠は何もないのに、多くの偏見が存在し、その考え方が適切でない訴訟へと導かれていると発表しています。実際MDの診察後にも同じことが起こっていますが、問題にはなりません。私たちはこのような事実を挙げて冷静に対処することが必要です。 マニピュレーションには素晴らしい可能性があります。臆することなく、しかし慎重に患者の状態を把握して、治療に努めたいと強く思います。マニピュレーションと動脈解離中島 一光DC 治療院密集地帯の隣町で最近2軒の整骨院が開業しました。1軒はチェーン展開の院で新規オープン。もう1軒もグループ院で、目と鼻の先に好立地テナントが空いたので移転リニューアル開業。屋号を変えて外装デザインもおしゃれに高級化しました。自己実現が目的になりがちな個人院と違い、マーケティング的勝算のもとに開業することが当たり前の時代です。前者は内装工事中から100円キャンペーンのビラ配り。後者は既存患者を維持しつつ、新規獲得のために開業前からウェブサイトを立ち上げて先行告知。交通事故対応はもちろん、産後骨盤・耳つぼ・腸もみ・EMS…と「何でもあり」の宣伝をしています。安売りでも何でもアリの世界で資本力に任せてトライアルする時代になってきています。 何でもトライする動向の背景にあるのが「VUCA」というトレンド。Volatility(変動)・Uncertainty(不確実)・Complexity(複雑)・Ambiguity歯科医院と連携したいカイロプラクター募集!整顎コラムVol.15藤原邦康 DCDrDr藤原藤原ののDr 藤原の(曖昧)の略で、経済や業界予測はあてにならないことを意味します。書籍『チーズはどこに消えた』が以前示したように再現性がある普遍的な成功モデル業態は世の中に残っていません。カイロプラクティックのような優れたコンセプトでも、かつてのように長期的な優位性を保ちづらくなっています。 「手に職をつけたら安定した生活が送れるし、食いっぱぐれがない」と信じて士業の資格を目指す方は多いですし、私もかつてそう信じてカイロプラクターを志しました。でも、変化が目まぐるしい現代ではこの考えは通用しません。治療院・リラクゼーション業界も人があふれているので、値踏みされて仕事を奪い合う状況。資格を取っても将来が安泰とは言えないのは、2週間でセラピストデビューするのがスタンダードになってきているから。残念ながら消費者は施術師の職歴にほぼ関心がありません。自分の悩み事を解決してくれそうかの安心材料を求めて、パッケージ化されたチェーン店イメージに行きつきます。 「整顎」の場合は、①社団法人化、②メディア取材、③カイロ・歯科連携が患者さんにとっての安心材料です。歯科向け勉強会は歯科医師・衛生士に好評を博しており、現在、宮城・群馬・奈良・大阪などで歯科医院と地域提携できるカイロプラクターのパートナーを求めています。関心がある方は以下までメールご連絡ください。Info@seigaku.org 今回は、消費増税に関わる対応についての質問が多かったのでそれについてお答えしよう。10月1日から消費税法が改正され消費税が10%となっているのはご承知の通りだ。 まず私たちは、全て消費税を消費者に転嫁しなければならないので、基本的にはどの先生たちも施術院で頂く料金はアップしていることと思う。 金額表示は2021年3月までは消費税転嫁対策特別措置法により総額表示でなくてもよいことになっている。 確定申告の際も10月1日以降の分は10%で納税することになる。それと同時に軽減税率制度が実施され、食品等に該当する物を取り扱っている場合は、それらに関しては8%の軽減税率が適用される。カイロタイムズの読者の先生の多くは、海外のカイロプラクティックに倣って、来院者の健康をさらにサポートするためにサプリメントを取り扱っていることと思うが、サプリメントは健康補助食品と明記されているため、食品扱いとなるため多くの先生たちはこの対応が必要になるだろう。同じ8%でも国税と地方税の内訳の割合が違うため、今までと同じ経理処理では間違いになってしまうケースがある。 税務書類への記帳方法やお客様へのレシート表示などが規定されているため、新しい制度をしっかり理解していないと大変だろう。もちろん税理士に相談する、もしくは丸投げという方法もある。この辺りが制度として最低限対応しなければならないことだ。 来院者のことを考えるとさらにキャッシュレス消費者還元事業への対応が必要だ。これは現金以外の決済方法を国が推進しているため、クレジットカードやICカード決済、スマホ決済と言われるQRコード決済などで代金を支払った場合、国が概ね2%、もしくは5%程度を消費者に還元する事業のことだ。つまり来院者がキャッシュレスで支払った場合は5%が返ってくると思っていい。 決済方法によって返ってくる上限金額や条件や方法はまちまちだが、この制度の恩恵を受けるためには事業者が国へ登録をしなければならない。登録した上で、開始日が決まるのでその日以降のキャッシュレス決済について還元が適用される。国が行っている事業のため、期間厳守で1日でもずれると適用されないということだ。 重要なポイントは、国民もこの制度をよく知っているということだ。この制度があるから、2014年の5%から8%への増税より、今回の増消費増税への対応のポイントvol.24vol.24井元 雄一Ph.D税の駆け込み需要での売上の変動が少なかったとされている。ということは、国民がこの制度へ関心を持ち、事業者がキャッシュレス消費者還元事業へ登録しているかしていないかによって、買い物やサービスを受ける事業者を選ぶということだ。 もしまだ登録手続きをしていない先生がいたら、早急に進めてもらいたいと思う。 今回の増税で廃業する事業者がとても多いことが連日報道されている。本紙読者の先生たちは、そうならないように対策を取って頑張って事業に精を出していってほしいと願う。 詳しい内容は、経済産業省のホームページでご確認ください。 スコット・ホルドマンDC、 MD、PhDが示したカイロプラクティック研究のための4つの評価基準で、前回は基準2、基準3をご紹介しました。最後の基準4では、「調整によってもたらされる神経系への影響が、異常な臓器機能、組織病理または症状複合体に有益な影響を示さなければならない」と述べています。今回はこの基準に関連するリサーチを一つご紹介させてい的アロディニア、熱性疼痛過敏、感覚神経の過剰興奮を生じさせました。調査はその手術後24時間後に開始され、2週間で10回の一連の調整は7日間連続と1日おきに適用されました。ラットの痛みの強弱をどのように評価するのだろうか?と疑問に思うかもしれません。本研究を担当したソン教授は、現在、パーカーカイロプラクティック大学の研究所長を務めています。以前は博士研究員としてエール大学医学部で麻酔科学と神経生物学の分野で研究を行っていた経験もあり、動物実験に関する痛みの科学的評価は定評があるようです。 ソン博士達は、施術前と施術後の機械的アロディニア、熱性疼痛過敏、感覚神経の過剰興奮の評価だけでなく、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色法を用いて後根神経節(DRG)の炎症症状を神経病理解析しました。結論として、これらの研究は、アクティベータ器による振動刺激が有意に重症度を減少させ、腰椎IVF炎症によって引き起こされる疼痛および痛覚過敏の持続時間を短縮することができるということを示しています。電気生理学的研究は、IVF炎症によって産生されたDRGニューロンの興奮性亢進がアクティベータ器の振動刺激によって有意に減少したことを示しました。ちなみに、各振動刺激は1回のみのスラストでした。 また、病理学的研究では、ただきます。この研究は2005年、世界カイロプラクティック連合リサーチ部門で最優秀賞を受賞しました。論文は「脊椎マニピュレーションは、ラットにおける腰椎椎間孔炎症後の疼痛および痛覚過敏を減少させる」というタイトルで2006年にJMPTに掲載されました。 本研究ではラットの腰椎椎間孔に直接炎症を誘発するように化学的に作り出し、機械AMリサーチに関して④保 井 志 之 DCVol.21血管新生およびサティライト症の増加などの DRG 炎症の症状は、アクティベータ器振動刺激後2〜3週間で有意に減少したことが示されました。この研究は、10年後に進化して、2016年より綿密で実践的応用によるフォローアップ動物実験が行われました。論文は「ラットの脊髄にある内在的な抗炎症のサイトカイン・インターロイキン10を活性させることを通して、神経障害と術後の痛みへの脊柱マニピュレーションの緩和作用」というタイトルでJMPTに掲載されました。本研究の注目すべき結果は、脊髄神経の抗炎症であるインターロイキン-10(IL-10)が増加したことです。これは、アクティベータによる脊椎矯正が鎮痛に寄与した最初の実証研究になります。(その⑤に続く)
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