カイロタイムズ119号(高解像度)
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(5)2019年11月18日発行 カイロタイムズ 119号上村 高史 DC 頸椎C1‐C3まで固定された患者さんをその後どうしたのか? 気になる先生もいるかと思います。 レントゲンと照らし合わせながらナーボスコープ、触診、モーションパルペーション検査、筋力検査、感覚神経、皮膚の張り検査をして、左右アジャストできる角度の可能性を探りながら、動く隙間があるか確認しました。 C1、C3を検査しいくつかの方向にわずかな関節面をみつけ、どちらかをアジャストしたかったのですが、レントゲンを再度確認して流石にリスクを回避しました。もしレントゲンなしでC1やC3をアジャストしている先生がいるとすれば、それはある意味とても怖いことだと思いました。 他に気になった僧帽筋と胸鎖乳突筋の異常は、張りと硬さ、手術による瘢痕組織の硬さ、筋力検査の左右腕、肩の動かし方や可動域検査が不自然で代償作用も大きく感じました。僧帽筋の神経支配には副神経外枝、頚神経叢筋枝の二つがあり運動神経と感覚神経を司っています。脳神経とC2‐C4にアプローチしなくてもその筋肉が動かしやすくなれば改善がみられるのではないかと考えました。 最終的にもう一つ気になる箇所のC6、C7、T1が古傷の傷跡のせいもあり皮膚の可動域、椎体の可動域がとても悪く、本人も違和感があり少し首を倒してもらうと肩から背中まで痛みと重さが出ていました。 最後は、いくつかのパルペーションの方向を探って私はC7 のアジャストに絞り、今までほとんど動かしていなかったのでそれは当然全くと言っていいほど、可動域が無かったのです。尚且つ凄い音がアジャストの際に鳴り、本人がビックリするくらいですが何十年も固まっていた人には良くあることです。手ごたえも自分なりに十分感じました。本人の驚きだけでなく笑顔もあったので、良くなるといいですねと言いました。 ただその来院の際、アジャスト後に本人も首が動くよう幼少期骨折の症例 中編DrDrムウエムムウエムララののリアリリア床ダイアリー臨床ダイアリDr ウエムラの臨床ダイアリーVol.15上村高史DC、 ICCSPになり僧帽筋、両肩、両腕で可動域は上がり代償作用も減りましたが、まだ首の張りと違和感が少し残っていると言われていました。それはそうですよね、まあそんな簡単に良くなるわけはないので経過を追っていきました。奇跡はそんな簡単には起きるわけではありません。その数日後メールを頂きました。C7のアジャスト、これがドンピシャに効果を発揮した様子で、首から肩の張りが気にならなくなったのと、1回目のアジャスト後に自宅に帰ってお風呂で頭を下げて髪の毛を洗う姿勢がとても楽になり、両手の重さが減ったことに本人が驚かれていました。私も驚きました。人間の自分自身を治す力は凄いと感じました。次回、2回目以降はどのように検査したのかをお伝えしたいと思います。 今年(2019年)3月9日の朝日新聞朝刊に掲載された「母乳への過度な期待見直し」「アレルギー予防効果なし」「離乳食初期から卵黄推奨」との大きな見出しについて、前回の連載では、アレルギー予防効果なし、との伝え方は誤りである、統計の誤解釈である、と述べました。 今回は、子育て方法に直接影響を与える「離乳食初期から卵黄推奨」という改訂内容に注目したいと思います。新聞記事の元になった厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会の第2回議事録によると、これまでは食物アレルギーの発症予防のため、離乳食の開始時期を「遅らせる」ことが強調されてきましたが、2015年以降の研究では、離乳食開始を生後5〜6ヶ月よりさらに遅らせることはかえってアレルギー発症のリスクをあげることがわかってきました。(参照1) イギリスで重症アトピー性皮膚炎や卵アレルギーを発症している生後4〜10ヶ月の赤ちゃんを対象に実験を行った2015年の論文では、生後60ヶ月(5歳)まで食事からピーナッツを除去したグループは17.2%の子供がピーナッツアレルギーを発症したのに対し、少しずつピーナッツを摂取したグループは3.2%とアレルギー発症が抑えられました。同様の研究はその後も複数行われ、エビデンスで最も信頼度が高いとされるランダム化比較試験のメタ解析の結果から「ピーナッツの早期摂取は乳児のピーナッツアレルギー発症予防に効果あり」と報告されています。 日本では、卵アレルギーに関して研究が行われ、アトピー性皮膚炎と診断された生後6ヶ月児を対象にした2017年の論文では、生後12ヶ月(1歳)まで離乳食から卵を除去したグループは、卵アレルギー発症率が38%だったのに対し、加熱した全卵粉末を生後6ヶ月から毎日少量ずつ食べさせたグループでは発症が8%、と統計学的に有意に卵アレルギーの発症が抑制されました。この研究成果を含め、複数のランダム化比較試験のメタ解析により、「乳児期早期の卵摂取は卵アレルギー発症予防に効果あり」と結論されています。 これまでは生後4〜5ヶ月の重症アトピー性皮膚炎の子供が病院に行くと、医師から「離乳食で卵を食べさせるのは1歳くらいまで待ってください」と指示されることが多かったようですが(参照1、第2回議事録)、ガイドライン改定によって指導が大きく変わることになります。 2007年版ガイドラインの「離乳食の進め方の目安」という表には、生後5〜6ヶ月頃の離乳食初期に「慣れてきたら、つぶした豆腐・白身魚などを試してみる」と記載されていますが、今回の改訂で「つぶした豆腐・白身魚・固ゆでした卵黄等を試してみる」と変更されました。議事録では最初から全卵で良いとしていますが、最終的な表記が「卵黄」になった裏事情は興味深いところです。 議事録からはガイドラインの影響力の大きさがよくわかります。国がガイドラインで母乳育児を推奨した結果、産後1年未満で働いている女性の完全母乳育児率は、2005年から2015年の10年間で27%から49%に増加しました。(参照1、第3回資料)離乳食の開始時期のピークは1985年の調査では生後4ヶ月でしたが、ガイドライン改定に伴い、2005年には生後5ヶ月、2015年には生後6ヶ月、と遅くなっています。(参照1、第2回議事録)生後4ヶ月までに離乳食を開始すると糖尿病や肥満、湿疹、セリアック病などの慢性疾患のリスクが高まるといった知見や、食物アレルギーの発症を心配して離乳食を遅らせる指導の影響で、離乳食開始は年々遅くなってきましたが、今回の改定で生後6ヶ月よりもさらに遅くなる傾向には歯止めがかかるでしょう。 ガイドライン次第で大きく変わる「常識」ですが、あく山﨑 美佳 DC離乳食初期から卵黄 推奨山﨑 美佳 DCまで統計結果を基にした目安です。実際にはお子さんの発達に応じた対応をすべきです。先日参加した国際小児カイロプラクティック協会(ICPA)のセミナーでは、離乳食の開始時期を見分ける方法が紹介されました。 ①体重が出生時の2倍になる、②首が座って頭の位置をコントロールできるようになる、③軽いサポートがあれば座れるようになる(ベビーソファに固定しないと座れないのでは時期尚早)、④満腹になると食べものをあげても顔をそむけたり口を閉じたりと意思表示できるようになっている、という4つのサインを満たしたら、離乳食を開始して良いとのことです。 やはり大事なのは目の前のお子さんが示すサインです。離乳食の時期なのに食べものをあげるといやがる、とおっしゃるお母さんには、「無理にあげずに、また機会をみてあげてください。身体が離乳食を必要とする時期になったら、自然に食べるようになります」とお伝えしています。参照1厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会◆支部活動再開の報告 日本カイロプラクティック徒手医学会名古屋支部は平成14年から平成28年まで活動しその後休止しておりましたが、新世代の勉強会開催をめざし新体制で運営委員会を結成、令和元年度より活動を再スタートすることになりました。 支部活動の中心は定期的に開催する勉強会です。これまでは年3回の開催でしたが今後は年1、2回ペースを予定しております。 内容はこれまで同様に会員の皆様の症例報告や研究発表のほか、臨床カンファレンスまたは臨床に有益な手技や情報の紹介などです。また、当会や外部から講師を招いての講演会や特別セミナーのほか、以前に長野県の木曽駒高原で開催し大好評をいただいた合宿勉強会なども企画していきたいと考えております。◆第44回勉強会の報告 活動再開後初の勉強会(第44回)は令和元年8月4日に名古屋国際会議場で開催し盛況のうちに終えることができましたのでご報告させていただきます。 午前は鈴木喜博DC(名古屋支部発起人であり初代支部長)が2演題「JMPT誌より変形性膝関節症と心理的状況との関連」、「膝窩筋に対するアプローチ」を発表し、続いてアトラスオーソゴナルの専門家である北川勇介先生が「上部頚椎複合体〜その構造と機能について」を発表されました。午後には東海地区きってのストレートカイロプラクターである荒川恵史先生が「失われたカイロプラクティック・アート」を熱演され、デモンストレーションをご覧になった先生方はその熟練した技術に釘付けになっていらっしゃいました。ティックティックククククククククククィッッィテテプラクテプラクテクククククククララプラプカイロプカイロププロロロロロイイイイカイイカカカカ本カ本カ本カ本カ本本本本本本日本日本日日日日日日日ククィッィッティテククララロプロプ本カイ本カイ日本カイ日学学学学学学学学学学医学学医医医手手手徒手徒手手手手手手徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒手医学徒手医学会会会会会会会会会会信信信信通信通信通通通通通通通通通信通信日本カイロプラクティック徒手医学会通信vol.15 また、最後に本会初の試みとなる臨床カンファレンスを開催し「サブラクセーション」と「治療前後の評価」という二つのテーマについて参加者全員でディスカッションを行いました。様々な先生の意見が得られ、臨床での意思決定に重要な情報もあり有意義な討論でしたが、問題点もいろいろと見つかり今後の課題となりました。 勉強会終了後には懇親会も開催し多くの先生に参加して頂き、情報交換や親睦を深め合い大変有意義な会となりました。勉強会に参加された方々にはこの場をお借りして深く感謝を申し上げます。 これからの時代、国内のカイロプラクティックが存続し更なる発展を成し遂げるには、これまで以上に臨床家がカイロプラクティック科学や基礎医学などの勉強を継続することが必要であると感じております。そして、そういったことに大いに利用していただきたいのが本学会であり、名古屋支部勉強会でもあります。当支部では今後も皆様のお役に立てるような勉強の場を提供できるよう役員一同、一丸となり取り組んで参りたいと思っております。今後とも、これまでと変わらぬ御支援、御協力をどうか宜しくお願い申し上げます。名古屋支部の活動再開と第44回勉強会の報告原 浩 之一 般社団法人 日本カイロプラクティック徒手医学会 理事 名古屋支部長
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