カイロタイムズ119号(高解像度)
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(1)2019年11月18日発行 カイロタイムズ 119号 かねてより検討中の業界安全基準に関する方針のうち、前回会議で決議した統一教本に指定した書籍を適宜翻訳して活用する件は、版権等の問題で難航していることが報告された。そこで海外書籍の翻訳にこだわらず、必要な内容のみを集約し新たに著述・編纂する方が現状に合うのではないかとのアドバイスを受けた。丁寧な準備こそが真に業界全体の役に立ち、多くの関係者のためになるとの指摘に出席者は大きく頷いていた。とはいえ、役割分担したとしても一朝一夕にできる作業ではないが、前向きに検討していく予定だ。 これまでにも厚生労働省医事課からは、最低限の安全性が確保できる3年制程度の専門教育を念頭に、柔道整復師など既存の他資格を参考に検討するようアドバイスを受けている。大学・専門学校レベルでの専門教育を実現させるには、教育内容の充実はもちろんのこと民間資格としてでもカイロプラクターを認証する環境を整備し、その上で将来的に国家資格化を目指すという段階を踏まなければならない。そこでまずは当会議で試験委員会を構成し、試験委員を選任。他の国家試験や過去に実施されていたカイロプラクティック関連の免許試験等を参考に試験問題の作成や試験運営を行い、合格者を当会議により認証する大まかな案が提示された。細部についてはさらなる検討を重ねるが、方向性については満場一致の賛同を得た。この日出席していた代表委員からは試験委員を買って出る申し出が多数あったが、欠席していた代表委員含めさらに多くの方々の協力を仰ぐ必要があることから、他団体にも広く呼び掛けていく。 今回、アドバイザーとして医師で医学博士・首都大学東京名誉教授の星旦二医師が初めて当会議に参加、会議運営および業界安全基準の検討協議について随所でアドバイスをいただいた。「カイロプラクティックの研究をもっとレベルアップさせる支援をしたい。最終的にはエンドユーザーが満足することが一番。それを崩さないように、エビデンスを大事にしてほしい」と語った。その上で「昔からの経緯があることは分かるが、時代の流れとして組織の業界全体のために、 地道な準備を丁寧にカイロプラクティック法制化推進(準備)会議開催報 告第9回 2019年8月23日(金)、東京都千代田区日比谷にて第9回カイロプラクティック法制化推進(準備)会議が開催された。今春に担当行政官が交代され、厚生労働省医政局医事課からは川本情報分析官が出席し、業界安全基準の検討・各分科会の活動報告および意見交換が行われた。今回は初めて医学界からもアドバイザーをお招きし、公平な第三者視点での意見を伺う貴重な機会を得た。このほど当会議へ団体会員が新規加入したこともあり、新たな顔ぶれでの開催となった。権威とか古い確執はもう捨て去って、徹底して中身で勝負しませんか? カイロプラクターにもエンドユーザーにもメリットがある資格・制度を丁寧に作るしかない。まだ参加していない団体に対しても、認証制度を構築することをお伝えしながら徐々にでも日本の大多数がこの認証を取る方向性で、並行して制度化を目指してこの会議に参加してもらうよう進めるべき」との見解を示した。 認証制度の構築や将来的に制度化を目指すにあたっては、当会議の活動をより多くの業界関係者に知ってもらう必要がある。ポイントは「他の排除」ではなく「他との協力」を目指す姿勢だ。過去に各団体が行っていた資格制度などはできる限り有用な形で包括し、行政機関からの継続的な支援を受けながら利用者の安全を最優先した新たな仕組みを作ろうとしている。当会議が中心となって開催している「業界安全対策講習会」は、次回今秋開催に向けて準備を進める予定で、行政機関に対し引き続き講師派遣を含めた支援を要請した。 当会議の活動は地味ながらも少しずつ形を成そうとしている。業界安全講習会の受講の呼びかけに加え、少しでも多くの業界関係者が法制化準備・業界整備に携わり当会議の活動にも参加しやすくなる工夫をしていくとした。連携・協力こそがカイロプラクティック業界を安心安全なものとする第一歩になるはずだ。業界安全基準に関する検討排除から協力へ専門教育とカイロプラクター認証議論を重ねる各団体の代表者たちNO. 119 号発行日/2019年11月18日発 行/日本医科学出販株式会社〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8F TEL:0120-223-505 FAX:0120-223-509Eメール:info@chiro-times.co.jp2月・5月・8月・11月発行 本コンテストはロールプレイングによる接客技術やセラピストとしての想いを競う「セラピストの部」と、店舗での取り組みをプレゼンテーションで競う「スペースの部」の二部門で構成され、施術に関する審査は含まれない。セラピストの部では、お客様の年齢や職業・悩みの設定が当日ステージ上で発表されるルールとなり、ロールプレイング時間も4分から6分に変更された。予習や準備ができない状況下では純粋にセラピストの実力が発揮される。スペースの部では、PDCAによる課題解決を発表するスタイルから、自分たちで新しいアイデアを考え提案するスタイルに変更された。他スペースや他社の仕事ぶりを見る機会はほとんどない中、トップクラスのセラピストの臨機応変な対応やアイデアを目の当たりにして、刺激し合える場を作ることが本コンテストの最大の目的となっている。 セラピストの部の審査テーマは『愛されるセラピスト〜Make Your Smile〜』。セラピストに必要な接客力、コミュニケーション能力、提案力・想像力、知識、想い・志について、6分間のロールプレイングと1分30秒のスピーチで審査が行われた。審査員も僅差だったと評する熱戦の末、グランプリに輝いたのは株式会社メディロム/Re.Ra.Ku西武新宿ペペ店の山田温子さん。明るく清々しい雰囲気と会話中のわずかなヒントから課題を深く堀り下げる対応力、独自のグッズを使ってお客様に状況を分かりやすく説明できたことが高く評価された。準グランプリは、セラピスト歴は浅いが「仕事=志事。誇りを持って取り組みたい」と想いを語った株式会社メディロム/Re.Ra.Ku西友東陽町店の市川彩さん。 スペースの部の審査テーマは『愛されるスペース』。「100万円で叶える より魅力的なお店づくり」と題しアイデア・計画・取り組みを4分間のプレゼンテーションで発表、ビジョン・発想力・計画性・ 2019年10月17日(木)、東京都千代田区有楽町のヒューリックホール東京にて「リラクゼーションコンテストJAPAN 2019」が開催された。「リラクゼーションの日(10月30日)」にちなんで毎年10月下旬に開催されているイベントで、リラクゼーション産業の振興、社会的認知度向上、セラピストの地位・サービス向上を目指している。第6回目となる今回は(一社)日本リラクゼーション業協会に加盟する2,395店舗23,233人の中から、セミファイナルを経て選ばれた8名・8スペースのファイナリストがグランプリを目指して競い合った。昨年までより大きな会場で開催されたが、多くのセラピストや関係者で収容人数約900名の会場が概ね満席。コンテスト後にはアフターパーティーも企画され、同業者・関係者とも交流できる貴重な機会となった。チームワークを中心に審査が行われた。グランプリに輝いたのは株式会社メディロム/千葉県佐倉市のRe.Ra.Kuユーカリプラザ店。ユーカリが丘は「あらゆる世代の人がいきいきと暮らす街づくり」を掲げている地域。「3世代に愛されるスペース」というビジョンが地域の意向に見事にマッチしていること、提案されたキッズスペースや高齢者向け設備の導入理由がビジョン実現に向けて単純明快かつ具体的だったことが高く評価された。準グランプリに選ばれたのは株式会社リバース東京/岐阜県可児市の天然温泉三峰。計画の実現性と具体性が高く、すぐにでもできそうでイメージが浮かぶ提案であったことが評価された。 リラクゼーション業界では今、セラピスト不足が大きな課題となっている。これを解消するためにエンターテインメントの力を借りた新たな仕掛けが打ち出された。ドラマや映画の主人公の職業を目指す人が社会現象的に増えた事例を踏まえ、リラクゼーションをテーマにした映画「癒しのこころみ」を制作。2020年6月公開予定となっている。来年度にはリラクゼーションに興味を持つ人のための新たな会員制度がスタート予定だという。リラクゼーション業協会では「リラクゼーションに興味を持つ人」「お店に来る人」「施術をする人」この3つが増えることが業界の活性化につながるとして、続々と新たな取り組みを進めている。日本最高峰のセラピストの祭典「リラクゼーションコンテストJAPAN 2019」開催前回からの変更点2019年の 開催結果続々と打ち出される 新たな取り組み
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